ついにプレビューが取れました!
Dynamics 365 Business Central用コネクタが2022リリースウェーブ1(の1つめのマイナーアップデート)で「プレビュー」が取れ、晴れて一般利用可能になりました。
いやー、長かったです。最初に記事を書いたのは2018年1月です。
D365 Financial でMS-Flowを使って承認(2) | IT長のネタ帳 (d3654.be)
当時はPower AutomateではなくFlowでしたし、Business Centralも D365 FinancialとかFinance & Operation とか名前がコロコロ変わっていた時代です。すぐにPreviewとれるだろう、と思ってましたがなかなか取れず、BCがDataverseベースにならないとGAしないのではないかと思ったりしてました。
すぐに触ってみたい…とはやる心を抑えて、まずはドキュメントから確認しましょう。
Docsはこちらです。
Business Central – Connectors | Microsoft Docs
タイトルは便宜上、「Power Automateコネクタ」と書きましたが、Logic Apps, Power Automate, Power Apps共通です。
ちなみにURLを打ち換えて/ja-jp/にするとプレビューの名残が見えます。(2022/5/29現在)
アクションの一覧です。13個あります。少し多いので分類してみましょう。アクション名は「Create record (v2)」、「Get record types (v3)」、「Execute Action (v2)」のように処理内容と処理対象物とバージョンで構成されています。
アクション名を分解して一覧化するとこうなります。
Pivotでグループ化するとこうなります。処理対象(Object)は「record」、「record types」、「record」、「action」の4つがあります。前者3つは「record」というグループ(Object Group)にまとめ、少し見やすくしてみました。
上の図でObject列が「record」のOperationは「Create」「Delete」「Get」「Update」の4種類があります。いわゆるCRUDだと考えればOKです。(ReadではなくGet表記ですが。)
Object列の 「action」列は少し紛らわしいですが「BCのアクション」です。「Power Automateアクション」ではありません。説明に「Execute BC Action」と書いてますね。(詳しくは後述)
バージョンはv2とv3があり、基本的にはそれぞれの(PowerAutomateの)アクションにv2とv3が存在するのですが、「Find records」だけはv3のみであることが分かります。(下図参照)
ちなみにv3は2022Wave1でのリリースではなく、2022Wave1の数か月前にリリースされてました。v2では「条件に合致するレコード群を取得する」処理ができず、これがプレビューであることと並んでBCコネクタの活用を妨げていた大きな要因だったので、この進化は大変ありがたいです。
トリガーも見てみましょう。
同様に分類してみます。トリガーは「何が」、「どうした時」、「バージョン」の3つに分解します。
「どうしたとき(When triggerd)」は3種類です。「承認要求が送信されたとき(Approval is requested)」と「レコードが変化したとき(Record Change)」と「その他」です。 「承認要求が送信されたとき」というのはBC上で承認依頼ボタンが押されたときです。操作者が明示的にフローを起動します。「レコードが変化したとき」はユーザーが何か操作をしたり、あるいはバックグラウンド処理が実行された際にレコードが変更された場合、という意味です。操作者は明示的にフローを起動しません。(その他は後述)
「何が(Target Object)」は「購買伝票(Purchase Document)、販売伝票(Sales Document)」「一般仕訳帳(General Journal)」「得意先マスタ(Customer)、 品目マスタ(Item) 、仕入先マスタ(Vendor)」「その他(-)」に分類されます。BCのマスタや仕訳帳、伝票はこれ以外にもたくさんありますが、対応しているのはごく一部であることは理解しておく必要があります。逆に、対応しているもの以外はRecord Changeや「その他」をうまく使って処理すれば良いということです。
バージョンの観点で見ると、アクションと同様に基本的にはv2とv3の両方が存在しますが、v2では「レコードの変更」が「Changed」のみだったところ、v3では「Created, Modified, Deleted」と幅広く網羅していることが分かります。文書ベースですが、おそらく「何かしら更新系の処理が行われたとき」というトリガーだと思われますので、便利そうです。後で実機で確かめてみましょう。
v3のみのトリガーがあと一つ存在します。「for a selected redord」と書かれていますが、これだけではよく分からないので、後で実機で試してみましょう。
v2とv3のパラメータの違いを確認しておきましょう。
まずはアクションから。v3にはAPI categoryというパラメータが追加されています。他の項目は同じです。
次にトリガーを確認します。Environment NameとCompany Nameの位置が変わっていますが、全体としては同じパラメータです。
Docsベースでの確認はこれくらいにして、次回は実際に操作してみましょう。
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