前回の記事がザックリしすぎていたと反省し、もう少しちゃんと読んでちゃんと書きます。
参照した記事はこちら。
Dynamics 365 Business Central 2018年10月リリースの概要
【直訳】
2018年10月リリースにて、D365BCはクラウド、オンプレ、そしてハイブリッドのデプロイで利用できるようになります。D365BCの魅力を味わうこともできますし、従来のオンプレのDynamics GP、Dynamics SL、Dynamics NAVを使ってD365BC経由でクラウドに接続する事もできます。
D365BCのポータル機能により、D365BCのパートナーは顧客とのやり取りが容易になりますし、アプリケーションとカスタマイズのライフサイクル管理が容易になります。
【解説・補足】
従来は「オンプレ=NAV、クラウド=D365BC」という図式でしたが、D365BCがオンプレも範疇に含む、ということです。この点は別のセクションで説明しているので詳細は別途。オンプレのNAVがD365BCオンプレミスになるというのは想定の範囲内ですが、従来のNAVをD365BCに繋げられるというのは少し驚きました。もっと言うと、SLとGPも既存のままD365BCにつなげられるというのは驚きです。(ホンマかいな。でもそう書いてある。)D365BCを広めるための作戦として「D365BCに乗り換えたら/アップグレードしたら、色々できますよ。』という方向に行くかと思ったのですが、、既存システム/既存ユーザーを取り込んで裾野を広げる作戦なのか、既存ユーザーから要望が多かったのか、その辺の背景は知りません。
ポータル機能については、これだけではよく分かりませんが、、インシデント管理機能なんかがポータルに乗っかるとパートナーとユーザーのやり取りが楽になるかもしれません。(完全に願望ベースw)
あらゆる場所にD365BCを-クラウド、オンプレ、ハイブリッドで利用可能に
【直訳】
D365BCはオンプレにデプロイするオプションが付きました。このオンプレはNAVの後継としての役割を果たします。言い換えると、顧客は”NAVの新しいバージョン”というよりもむしろ、”D365BCのオンプレミス”を手にする、ということです。とはいえ、パートナーや顧客のエクスペリエンスとしては”NAVのアップグレード”と何ら違いはありません。ただ、名前が変わるという事です。これはSMB(中小中堅企業)に対するDynamics製品がD365BCの1点に収束する、という事です。たとえ、Dynamics SLやDynamics GP、そして古いバージョンのDynamics NAVが動いていたとしても、今後はSMBはD365BCの顧客(候補)とみなされます。
【解説・補足】
「名前が変わるだけ」と言ってみたり、「新しいNAVではなくD365BCオンプレだ」と言ってみたり、どっちやねんという感じです(笑)。まあ、無用な不安は与えたくないけどブランドはリニューアルしたいという事だと思います。たいてい、こういう場合は見た目は変わらなくても中身はしっかりと変わる方向に向かいます。(「株主は変わりますが皆さんの仕事は変わりません」というのと同じです。そんな訳はないのです。おっと、誰か来たようだw) 色々見ていると、伝票とかビジネスロジックみたいな部分は割とそのままNAVを踏襲していますが、データベースやプログラムの部分とUXの部分は新しくする、という印象で背う。
いずれにせよ、NAVという名前が無くなるの確定ですね、合掌。
1年くらい前、D365BCが Dynamics 365 Finance and Operations, Business edition と呼ばれていた頃、AX系とNAV系の棲み分け基準を顧客企業のサイズにするかどうかで議論されていた事があったと記憶しているのですが、決着が着いたという事でしょうかね。ここがクリアになるのは良いことだと思います。
高い生産性をもたらすユーザーエクスペリエンス
【直訳】
生産性高くもっといろいろなことができるような機能として、一覧のフィルタリングや合計、コピペの機能が充実します。新しくキーボードショートカットを追加してビジネスタスクの遂行を加速します。また、キーボードのナビゲーションを向上させ、D365BCは様々なニーズに応えます。ページやレポートやヘルプ文書の検索が改善されているので、従来よりも早く欲しいデータを手に入れられるでしょう。
D365BCのすべてのメイン画面においてビジネスユーザーは従来になく新しいモダンな体験ができるでしょう。ブラウザーからデータにアスセスしている場合でも、Win10noデスクトップアプリからアクセスしている場合でも、ロールセンター、リストページ、ワークシート、伝票画面、マスタの詳細画面などの各画面に渡って、一貫してスムーズで直感的でモダンなインターフェイスを体験できます。
【解説・補足】
各画面で生産性を向上させるための改善がなされたようです。普段、Windows Client アプリでNAVを触っている身としては、時代遅れだと感じつつもWebブラウザでの操作性は低くてストレスを感じていたりします。なので、操作性の向上は期待大です。特にショートカットの充実はうれしいですね。
テナント管理
【直訳】
D365BCのパートナーはD365BCのアドミニストレーションセンターを使用してシステムのライフサイクルを管理します。アドミンセンターはVARのためのポータルで、顧客のテナントの健全性、トラブルシューティング、通知、およびサンドボックス環境を管理します。
【解説・補足】
実物見ないとちょっとイメージ付かないですね。。別セクションで詳細説明があればそちらを読み解くことにします。
Visual Studio コードの AL 体験の改善
【直訳】
改善された新しい開発ツールを使うことでエクステンションの開発やトラブルシューティングの生産性を高めることができます。例えば、本番データを持つサンドボックス環境やブレークポイントのサポート、インラインヘルプの改善、ユーザーシナリオで発生したイベントのトレース、オンプレの展開における.NET Interopのサポート、enumsのエクステンションサポート、レポートデータセットやフィールドグループなどです。
【解説・補足】
ALというのはD365BC のエクステンションの開発言語です。Visual Studio コードでコーディングできて、それが色々改善された、という事です。列挙されている例の意味は、、開発者でないので分かりませんw
ALの定義と解説はこちら参照。
新しい市場でビジネスセントラルを利用可能にする
【直訳】
BCのローカライゼーションはマイクロソフト主導のものとパートナー主導のものがあります。マイクロソフトは引き続き、パートナー主導のローカライゼーションに対応します。そして、現在提供されていない国々のローカライゼーションのエクステンションがマイクロソフトAppSourceに提供されていくことを期待します。ちなみにマイクロソフトは今回のOctober Releaseに合わせてアイスランドとノルウェーとメキシコのローカライズをリリースしました。
【解説・補足】
Excelなどは言語の違いはあれど機能的には全世界で同じだと思いますが、D365BCのようなERPパッケージでは言語の違いだけでなく、国による商習慣の違いが存在します。日本では月締めの請求書などが有名です。税とか人事給与のルールなども国ごとに違ったりします。そうした国ごとの違いを吸収するために、世界中で同じ(であろう)機能は共通のロジックで実装し、国別に異なる機能はエクステンションというアドインみたいなもので提供されます。こうした言語や商習慣の国別対応を行う事をローカライゼーションといいます。で、これを誰がやるか?という話でして、マイクロソフトがやる場合(国)とマイクロソフトのパートナー企業が行う場合があります。確か欧米はマイクロソフトが対応するのが主流で、日本を含むアジアは各国のパートナーが対応するのが主流です。これはD365BCになる遥か昔、NAVの時代からそうやっています。今後もその方針は変わらない、ということです。(ただし、「これまでパートナー主導だった国は引き続きパートナ主導」とまでは書いていないので、、国によってはマイクロソフト主導に切り替わったり、あるいはその逆のケースが発生する可能性はゼロとは言えないと思います。。)